2020年3月3日に国会提出されていた「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」が、2020年5月29日に参議院で可決し、成立しました。
この法律では、以下の内容が盛り込まれています。
- 被用者保険の適用拡大
(1) 短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の規模要件について、段階的に引き下げる。
(現行500人超 ⇒ 100人超 ⇒ 50人超)。
(2) 5人以上の個人事業所に係る適用業種に、士業事務所を追加する。
(3) 国・自治体等で勤務し、厚生年金保険・健康保険の適用対象となる短時間労働者に対して、公務員共済の短期給付を適用する。 - 在職中の年金受給の見直し
(1) 在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上)の年金額を、毎年定時に改定する(受給期間中の収入を反映させる。
(2) 60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、支給停止とならない範囲を拡大する。(現行28万円以下⇒47万円以下) - 受給開始時期の選択肢の拡大
年金の受給開始時期の選択肢を、現在「60歳から70歳の間」を「60歳から75歳の間」に拡大 - 確定拠出年金の加入可能要件の見直し等
(1) 確定拠出年金の加入可能年齢を引き上げるとともに、受給開始時期等の選択肢を拡大
※企業型DC:厚生年金被保険者のうち65歳未満70歳未満
個人型DC(iDeCo):公的年金の被保険者のうち60歳未満65歳未満
(2) 確定拠出年金における中小企業向け特例の対象範囲を拡大(100人以下→300人以下)
(3) 企業型DC加入者のiDeCo加入の要件を緩和 - その他
(1) 国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切替え
(2) 未婚のひとり親等を国民年金保険料の申請全額免除基準等に追加
(3) 短期滞在の外国人に対する脱退一時金の支給上限年数を3年から5年に引き上げ
(4) 児童扶養手当と障害年金の併給調整の見直し等 など
■厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html